春の気配

2月1日(日)東京は風が強かったが良い天気であった。家の近くにある学校の塀沿いに白梅が開花した。よく見ると雀より一回り小さなうぐいす色をした小鳥が白梅の枝の間をせわしなく飛んでいた。メジロである。もう春の気配が近づいてきたようだ。まだ風は冷たいが、一歩一歩春が来ているのである。

ふるさとの春を想い出す。丁度4月上旬の学校の入学式の頃に桜が満開になる。それよりも少し早い3月上旬になると、田んぼの用水路に張った氷が溶けはじめ、水音が大きくなり、早足で春がやってくる。土筆が一面に生えたかと思うとみるみるうちに、枯野や田畑の土手は若草色になっていく。この色彩の変化は鮮やかである。よく土筆をビニール袋いっぱいに詰め込んで持って帰り、綺麗に袴をとって母に御浸しにしてもらったものだ。これは春の香そのものをいただく感じで実に旨い。せりもよく採って食べた。

桜が咲くと、他の野の花も彩りを添え辺りは春爛漫。甘い花の香りが漂う。上空では雲雀がにぎやかに舞い、水を張った田んぼや水路の中の泥には、どじょうや小魚がちょろちょろ姿を現す。そう、緑が濃くなる5月には清涼感のあるカッコウの声も聞こえた。生命の躍動を感じるふるさとの春は実に美しく、生涯忘れられないものである。その情景は、グスタフ・マーラーの交響曲「大地の歌」のように人と自然の見事な調和を描き、私の心の中に今も鮮やかに生きている。

ここは東京。ふるさとのように色彩感のある四季の変化を楽しむことはできないが、少しの変化を感じては喜んでいる。3年ほど前までは近所でうぐいすの透明感のある声が聞こえていた。もうすぐ春。そして私はまた一年歳をとっていく。

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