情熱

情熱やロマンだけで生きていけるほど人生は甘くない。そんなことは若い頃十分経験して分かったはずだ。それから二十年以上もある意味で自分自身の感覚を麻痺させ、自分を封じることで今までやってきた。それで大きな問題は無かった。

だが現実には今になってその反動が現れている。ずっと自分を封じ、抑圧された何かが目覚めてしまった。何編か前のブログ記事に「封殺」を書いたが、あれは再び自分に封印をしなくてはならないという自戒の念を書いたものである。

シベリウスのバイオリン協奏曲が甘く切なく、しかし力強く情熱的に流れている。自分を捨ててはならない、と。それは明らかに自己否定であり、逃避であると。この旋律は崇高な情熱とロマンを人生に傾けよ、と言っているようである。半端であってはならない、と。ゴールが見える前に旗を降ろしてはならない、と。

この旋律の前には誰もそう納得するのではないか。それほどまでに情熱が尊く感じられ、また遥か遠くから愛しい人が私を見守ってくれているような気持ちにさせてくれる暖かい音楽である。

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