妖しい二人

2月24日の日曜日、真冬の日本から真夏のフィリピンへ来た。気温31℃と暑いのだが、いつもの如く冬から急に夏モードに切り替わらないからだには堪える。ホテルにチェック・インして早々、通信手段を確保しなければならないので、市内のショッピングモールへタクシーを飛ばした。私がここに住んでいたのはもう15年以上も前のことであり、町の様相はすっかり変わっている。高層ビルが増え、お洒落なカフェ、大きなショッピングモールも著しく増えたので、なかなか勝手が分からない。
ショッピングモールの中を携帯電話屋を求めて歩き回っていると、二人組の若い女性がいきなり声をかけてきた。突然だったので、自分に話しかけられたのではないと思ったが、「○○へはどういったらいいのですか?」とタガログ語混じりの英語で聞いてきた。「今マニラに到着したばかりなので分からない。」と返答したところ、その二人は私をフィリピン人だと思ったと言うのである。私は昔ここに住んでいた時も時々フィリピン人と間違えられたことがある。
私が外国人と分かると、二人はいろいろ尋ねてきた。私は男性を騙す常套手段ではないか、と疑った。さすがに町の中心部のショッピングセンターで白昼堂々誘ってくるという話は聞いたことがないが、昔同じ市内の大きな公園で二人組の女性に声を掛けられ、誘われるままついていった日本人が大量の睡眠薬を飲まされ、意識を失っているうちに身ぐるみ剥がれたという事件が少なからずあったからである。
二人の話では、日曜日の今日、教会に礼拝に来た帰りで、買い物を済ませ、フラフラ散策しているところだとか。まだ二人とも学生で暇しているのでカフェでもいかないか?と案の定、私が疑った通りのシナリオになってきた。「私は着いたばかりで忙しく、携帯電話等買わなくてはならないから」と言ってその場を去ろうとしたところ、近くに携帯電話屋を知っているからと言って、ついて来ようとした。そしてものの十数メートルのところにそれはあった。こうなったら騙されたと思っていろいろ頼んでみよう、と割り切り、その二人に「一番安くて使いやすい携帯電話を探して。」と言ったところ、すぐにそれを探してくれた。実際のところはマダガスカルで使用していた携帯電話器がフィリピンで使うことができるか分からず、それを携行してきた。二人は店員と一緒に私の携帯を分解して、SIMカードを調べ、これならばSIMを交換するだけで使える、と教えてくれた。そしてSIMを交換し、プリペイド式の電話カードも購入して、そのクレジットまで入れてくれた。なんだか少し疑ったのが悪かったかな、と思った。
続いて「次はどうするの?」と聞いてきた。外貨交換、歯磨き粉の調達などすべて頼んでいないのに案内をしてくれた。お陰で随分時間が節約できた。ここまできたら、最初に私が二人を疑ったのを本当に申し訳なく思えてきた。コーヒースタンドでコーヒーだけ頼んで少し話をした。二人は同じ大学に通い、一緒に暮らしている友達同士だそうで、何か悪いことを考えている様子ではなかった。いたって普通の女性であった。私はホテルに戻るから、と言って丁寧にお礼を言い、タクシーに乗り込んだ。不思議な出来事であった。

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