崩れた塀

郡山の友人から返事が届いた。郡山は内陸部にある都市なので直接的な今回の大津波による影響は無かったが、3月11日の大地震発生時は震度6強を記録した。友人も生まれてこのかた体験したことのない激しい揺れであったと言っている。宮城県、岩手県の大津波による大規模かつ多数の被災者を出した地方と、福島県原発事故による浜通り地方の被災・避難地域は毎日のように報道番組に取り上げられているが、それ以外の場所の被災状況についてはあまり報じられていないため、様子が分からない。

郡山も浜通り地方や東北の他の地域から避難してこられた人が多い。また、震災直後停電や断水も広範囲であったようである。また、東北新幹線はもとより在来線、東北自動車道、磐越自動車道など物資や旅客輸送の大動脈がつい数日前まで完全に停止されていた状態であったため、物不足、ガソリン不足は深刻であったようだ。福島に限らず東北地方はどこもそうであるが、市民の日常的な交通手段は自家用車である。ガソリンの欠乏はすぐに生活を直撃する。

友人宅は築40年だそうで、随分と壁に亀裂が入り、外塀は崩れたそうだ。幸いにして人の負傷などは無かったそうである。しかし安否が心配になって出した数名に宛てた手紙のうち、返事がきたのはまだ2名である。返事をする心の余裕がないほど生活や仕事が困難に直面しているか、家庭や親戚などに被災された方がいるか、というような心配がよぎる。

福島も春はすぐそこまで来ている。田んぼの畔には瑞々しい土筆の頭や蕗の薹が生えていることだろうが、人々はそれに見入る気持ちのゆとりはないのであろうと思うと、悲しい気持ちになる。

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