線香事件

再びカンボジアに来た。今回で通算10回を数える。プロジェクトは5年続き、今年で終わる。私のカンボジア訪問もこれで一旦終わりとなる。今まで随分といろいろなことがあった。面白いこと、嫌なことなど経験は積み重なったが、少し変ったエピソードを紹介したい。

事業を動かしていくためにはお金を動かさなくてはならない。そのために毎年大量の証憑書類を取り付け、事業主に提出する必要がある。見積書、請求書、納品書、領収書などである。これらは日本の会計システムに合うように体裁を整える必要があるのだが、異国では商習慣が異なっていたりで何でも日本流に事が運ばないことが多い。

2年ほど前のことであったが、カンボジアから送られてきた証憑書類の分厚いファイルを数冊整理して、顧客(事業主)の元へ提出したときのことである。提出後、顧客側から電話が入り、こちらが提出した書類が臭って仕方がない、というクレームであった。線香のような匂いがして大変だというのである。カンボジアは熱心な小乗仏教の国なので、プロジェクトの事務所にも写真にあるような仏様の祭壇があり、毎日お香のようなものを炊いているので、私は匂いが染み付いても自然であると思い、人を介して顧客側のそのように説明した。

しかし、それから何度も顧客側の複数の人が騒いだ。どうも尋常な匂いではないらしく、書類を見た者の目が痛くなったり、窓を開けて風を入れる騒ぎになったりしたらしい。何とか対策を講じて欲しいと頼まれた。私も言われて紙の匂いを嗅いだが、確かに少し線香くさかったのだが、大騒ぎするほどではないと思った。これを注意したら、カンボジアの人に失礼になるなとも考えたが、念のため聞いてみた。

それは事務所のお香のせいではなかった。証憑ファイルを閉じるために仕切り紙が入れてあったのだが、その紙が匂い付の紙であったというのだ。私が顧客に説明したことは間違いだった。それ以降は匂い付の紙は使用していない。日頃細かな事を指摘され現場で証憑書類の差し替えや取り付けをしている者の労苦を少し味わっていただけたかな、と苦笑いをしたものだった。
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