微風

寒さと暖かさが交代でやってくるこの季節には何があると言うのだろう。暦の上では春。寒暖を繰り返しながら、確実に日中の気温は高くなっている。だがからだにとっては少し酷な変化である。いつの頃から季節の変わり目にからだは敏感に反応し、体調を壊しやすくなったのであろう。記憶を遡ると、子供の頃は全く何も感じていなかった。

軒下のつららが少しずつ溶けていき、野や畑の積雪が少なくなって所々土が顔を覗かせると春が来たと思って純粋に嬉しくなったものである。朝夕の冷え込みが厳しくとも子供のからだは何も感じることなく、生き生きとして自然の神に感謝した。土筆の頭を見つけては感動し、凍っていた道端の小川の流れの音がちらちら聞こえてくると胸は高鳴った。そうするとじっとしていられなくなり、友達と全力疾走をして喜んだ。空気はまだ冷たいが早春の匂いを運ぶ微風が頬をかすめる。

その頃の学校の担任の先生から便りがあった。常に生徒に「和」を重んじ連帯責任を教える気概のあった先生であり、同時に自然に対する畏敬を教えてくれた人であった。もう80歳を超え、からだの自由は効かないという。今は静かに時々家庭菜園を楽しんでいる。私の中のふるさとを支える中心的な人の一人である。またすぐに海外へ行かなくてはならないのだが、その前に何とか先生に会い、ふるさとの微風の香りに触れに行きたい。

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