初雪

もう長い間、初雪を見ていない。毎年一番寒いこの季節に私は日本にいないことが多いから。子供の頃、雪に覆われた田んぼの中の一本道を毎日長靴を履いて学校へ通ったのだが、あれ以来雪のないところで人生を送るようになってしまった。あの眩しく、時には視界をも遮る白い幻想的な雪野原を懐かしく思う。今年も1カ月間のカンボジアから帰国したばかりであるのに、3日間しか日本の空気を吸うことができず、バレンタイデーからアフリカへ向けて出発。次に帰国するのは春のこと。

何が楽しくてこんな生活パターンを続けているのだろう。全く情緒がない。日本人に生まれたのだから、日本の四季をいつも見守り、その中に身を置いて自分も老いていきたいのだが、叶わぬことなのか。まだ帰国時の荷物が空港から届かない。それが着いたら、荷物を少し詰め替えて、足りない薬品を調達、荷詰めしてすぐに再び集荷に来てもらい、自分のからだもそれを追って空港へ。

3日間の日本は何も意味しない。何かできるわけでもなく、病院、散髪、身の回りを片付けて次の目的地への準備をするだけで精いっぱい。何かが間違っていると心の中で呟いても仕方がない。せめて乾いた身と心を古いCDプレイヤーから流れるボロディンの音楽に浸して、夜明けを迎えることにする。

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