フィリピンの同僚

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およそ20年ぶりでフィリピンに勤務していた時の同僚に会った。当時私はフィリピン人職員の雇用管理、事務所の安全対策などの仕事を行っていた。精神的には最もきつい時代であった。フィリピンは貧富の差が激しく、一般治安が良いとは言えない。事務所に勤務する者の中にも悪事を働く者が何名かいて、事務所が入っていた大きな雑居ビルの地下駐車場から公用車を何台か盗まれた。バイクも別の場所から盗まれた。警察や調査局の取り調べにも被疑者となった者たちは罪を認めない。疑わしき者を置いておくわけにはいかないので、離職を促すが簡単ではない。バイク盗難のケースでは盗難の現場を同じ事務所の関係者が目撃していたため、言い逃れはできないのだが、それでも白を切る。起訴する側と起訴された側が同じ調停官事務所で顔を合わせる。だが、目撃した者はその後被疑者から脅迫を受ける。これらの事件は私がフィリピン在勤時代に3件発生した。単独犯もあれば、ビルの警備員とつるんでいたケースもあった。最終的にはこれらの者は解雇したが、それで決着しないのが怖いところである。解雇された者は不当解雇であると事務所を訴える。こちらも弁護士を立て心理戦が始まる。拳銃が比較的容易に手に入る社会において、こうしたケースでは、名前も顔も知らない者が雇われて報復に来る事件が多かったので、私も家族や事務所の他の職員に危害が及ばないように常に神経をピリピリさせていた。フィリピン時代に関係者が事件に巻き込まれたケースは沢山ある。気がつけば私は不眠症となっていた。そう、この時代に睡眠薬が欠かせなくなり、今日も続いている。この時代、事務所に残ったスタッフは実に有能で信頼のできる人たちだ。その同僚との久しぶりの再会。共に苦労をした仲間である。この時の苦労は私の今の財産となっており、私は今もフィリピンが好きでいる。

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